2~3年程前から少しづつ鼻づまりに悩まされていましたが、今年に入ってからその症状が更に酷くなり夜の就寝中にも鼻呼吸が出来ずに苦しくて目が覚めると言う事が度々起こるようになっていました。
この様な症状がこれからも続くのでは先が思いやられると感じ、インターネットを使って「耳鼻咽喉科」の病院検索を始めました。すると、検索結果に表示される各医院のウエブサイトにはそれぞれいい事が書いてあり、どの医院に決めようかと悩む程でした。その中で行ってみようと決めたのが、医師の年齢も結構若手(?)の40代と思われる医師が院長の耳鼻咽喉科です。
院内設備の内容なども紹介しており、近代的な設備が揃っている様に感じられました。
この院長は都内の大学病院の客員講師も兼任しているとの事で、最新の治療でも受ける事が出来るかも??と、無駄な期待感を持って初診に向かいました。行く前には、この医院のウエブサイトの中から「問診票PDF」をダウンロード出来るようになっていたので必要事項を書き込んでから持参する事にします。
医院に到着後、待合室には1名の患者さんが待っていましたが、予約の方のようでした。
受付に初診である旨を伝え、書き込んできた「問診票」と「保険証」を提出して待合室で待つ事にします。5分程して、診察室に呼ばれ医師と直接の問診がありましたが問診票に答えた内容を再確認する程度です。
その後、内視鏡を両方の鼻(片方づつ)に入れて画面を見ながら「炎症を起こしていますね。鼻毛の切り過ぎは良くありませんよ。鼻毛は外からの汚れやほこりを取り除いてくれる働きがありますから。」 という診察で「炎症を抑える薬を出しておきますから1週間後にまた来てください。」
ここで、悩んだのは「2~3年前から徐々に鼻づまりが酷くなって来ているので」と問診票の項目の「本日はどのような症状で来院されました?」の問いに答えていたのだけど「炎症を起こしてます。」とだけ言われても納得できないのですよ。
2~3年前からずっと炎症を起こしてたのに 病気じゃ無いんですか? と医師に尋ねても
「とりあえず、1週間投薬して結果をみましょう!」 だそうです。
「忙しいから あとでね!!」って扱いにも思えるけど。
![]() |
診察終了後 ネプライザー処理 ネブライザーは薬液を霧状にして粒子を細かくすることによって、鼻呼吸した際に届きにくい副鼻腔内粘膜まで薬液を送り込みます。 このランプが消えたら終わりです。って言われて1~2分間鼻から吸って口から吐く。何の匂いもしないし、ただの空気を吸ってる感じです。 |
この処理を数分やって終わったら鼻に差し込んであるチューブを指定の場所にポイして終わり。
ネプラーザー処置が終了後、会計を済ませてから処方箋を持って調剤薬局に向かいます。
薬局で処方箋を元に出された薬が下の2種類です。
![]() |
タリオン錠10mg
アレルギー症状の原因となる、体内のヒスタミンなどの生成や働きを抑え、くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどの鼻炎症状や皮膚のかゆみを改善します。 朝・晩の食後に服用。 |
![]() |
フルチカゾン点鼻液50μg「トーワ」28噴霧用
ステロイド抗炎症製剤で、炎症を抑え、アレルギー症状を改善します。 一週間の様子を見るためと言う事で、朝・晩の左右の鼻に各1噴霧で7日分。 |
この投薬を続けていた一週間の鼻づまりの状況に変化は全く見られませんでした。一週間後に再度診察に行っても期待薄なので、ここに再度行くのは断念する事にします。
この後の記事で説明するセカンドオピニオンとして選択した医院では、同様の内視鏡検診でも即座に明確な病名と治療方法が説明されました。ホームページでいくら立派な肩書や紹介文が掲載されていても信用出来ないものだと実感させられました。自分で納得がいかなければ早めに他の医院に行ってみるのも選択肢の一つのようです。
そこで、知人から聞いていた耳鼻科を受診する方向で準備を始めます。この耳鼻咽喉科は以前にテレビでも取り上げられたとの事で花粉症や鼻炎の治療に対して効果的なレーザー治療を行うという事でした。それに予約制ではないので、来院者から順番に診察や治療を行う方式です。なので、予め受診の予定をたてる必要もなく自分の都合にあわせて通院できるという気遣いも嬉しい(勝手な思い込みですが)。準備としては、この医院のウエブサイトから問診票をダウンロードして必要事項を書き込み、持参して初診に向かうことになります(医院に着いてから問診票を受け取り書き込んでもOKですが待合室の雰囲気とかもわからないので事前に作成していきました。)。
その問診票と保険証を持って受付に提出します。(待合室には1名待機中)
「初診です! 問診票は書き込んで持ってきました。」と受付に出すと「検温しますので」と受付番号票と一緒に体温計を渡され、待っているうちに検温します。(特に熱は無く平熱でした。)
検温が終わって体温計を返し4~5分待っていると名前を呼ばれて診察室に入ります。
診察室に入って医師の診察が始まります。(穏やかな口調の医師です。決して上から目線の医師ではなかった。)
問診票の内容を医師が再確認した後で最初に両方の鼻の中にスプレーを噴霧し、その後 内視鏡らしきものを鼻に差し込みます。(かなり奥の方まで差し込んでいます。)
この時、シャッター音の様な(カシャ カシャ)音が数回聞こえました。(前回の医者の時はこの音が無かった)
内視鏡での診察が両鼻で約2分程度、医師からは「鼻中隔湾曲症(びちゅうかくわんきょくしょう)」ですね!と言われた。その後で、こちらの画面を見てくださいと指さしたモニター画面を見ていると、先ほどの内視鏡の映像が動画方式で映し出されたのです。医師が、画面を見せながら(途中で静止画状態にして)説明をします。「ここが炎症を起こしています。 とか ここが曲がって張り出しています。」と画面を見ながらなので凄く説得力はあります。
その後で、鼻中隔湾曲症という病気(?)についての説明が始まる。
簡単に言うと、鼻の中心にある軟骨が曲がって片方の鼻の通りが悪くなっているとの事。この治療方法としては、曲がって邪魔になっている軟骨を削り落とすのが正式な手術らしい。それには全身麻酔で手術を行い1週間程度の入院が必要となるとの事でした。
他に方法は無いのでしょうか? と尋ねると
レーザーで粘膜を焼く治療もありますが、この「鼻中隔湾曲症」には効果は期待できません。術後、早い人では1年くらいで粘膜が再生してしまうので再度の手術が必要になります。仮に粘膜を焼く治療を行う場合には今日すぐという訳には行かないので予約になります。
と言う説明を受けた後、少し考えさせて欲しいと時間を貰うことにして本日は帰宅する事にします。
帰宅後、鼻中隔湾曲症についてネットで検索してみると手術に対する賛否両論が出ていました。
当然 手術をやって良かった! という方と やらなきゃよかった!後悔してる! と言う方。
後悔しているという方の中には、後遺症らしき症状で悩んでいる方もおられました。
鼻づまりが酷くなった。
頭痛がするようになった。
匂いが感じなくなったという方もいました。
などなど、悪い事が目につくとなかなか手術には踏み切れないものですね。
そこで、日を改めて再度耳鼻科を訪れ医師と相談する事にしました。
レーザー治療で行う方法を試してみたいんですが? と言うと
レーザー治療に関する内容を説明してくれました。
手術自体は両方の鼻で約10分程度です。
手術方式は2種類あって、表面だけレーザーで焼く術と、内部から低温で焼く方式があります。表面だけ焼く術式だと粘膜の再生が速いので、当院では内部から低温で焼く術式をとります。
<手術の流れ>
最初に鼻の中に麻酔を染み込ませた綿を入れて30分くらい待ちます。
その後で、粘膜に麻酔を注射して少し時間をおいてレーザーで3か所くらい焼きます。
手術後、多少出血がありますが鼻の中に綿で出来たボールを入れておきます。
交換用の綿もお渡ししますので適宜交換してください。
大まかに概略を説明するとこのようになります。
この説明を受けた後で、手術の予定日を決めます。(この時、血液検査用の採血を実施。)
<手術当日>
手術の当日は指定された時間に間に合うようにお医者さんに到着。
そこで、診察室に通されて麻酔薬を染み込ませた綿を両方の鼻に差し込みます。
かなり奥まで 喉に届く感じまで差し込みます。(細長いガーゼのような物を数本)
両方に差し込み終わると、そのままの状態で待合室で待機となります。
あまり格好はよいものではありませんが鼻呼吸は出来るので下を向いておとなしく待ってます。
待合室にいた子供は、近くに来て下からジ~ッと見ています。
よほど 面白かったのか? いつまでも ジ~~ッ と眺めています。
30分ほど この状態で待っている間に 次々と患者さんが診察を終えて帰っていきます。
ようやく自分の番になって、診察室に呼ばれ手術の準備が始まります。
まず 鼻に詰めてあった綿を取り出します。
(抜く時が気持ちい~~。 す~~っと鼻が通る)
鼻の中にスプレーを噴霧します。
次は、治療予定部位の粘膜に麻酔を注射します。
(喉に流れてくると とても苦い)
麻酔が効いた頃(1~2分)を見計らって、治療を始めます。
麻酔が効いているので、痛みは全くありません。
片方の鼻に3~4か所針のようなものを差し込み先端部分を焼きます。
(この間約10秒ほど。)
針の場所を数回変えて再度焼きます。
(これが片側3~4か所)
熱さや痛みは感じませんが、一番最初の時だけほんの少し焦げ臭く感じました。
それを繰り返して、両方の鼻の処置が終わり鼻の中に綿を詰めて手術は終了です。
時間的には、およそ10分程度でした。
その後、待合室で待っていると看護士が目の前に来て術後の説明をしてくれます。
「鼻に詰めた綿は、血が止まるまで入れておいてください。替え用の綿球もこの袋に入っていますから途中で気になったら交換してください。それと止血剤と痛み止めを処方しますから調剤薬局で受け取ってください。次は、1週間後くらいに来院してください。」
と言う事で、会計を済ませて調剤薬局に向かいます。本日の会計は6,000円弱(社保3割負担)でした。
調剤薬局に着いた頃、鼻血が綿を伝って外に出始めたので薬局の人が替えの綿は貰ってきてますよね? って
それと、携帯用のティッシュを2個くれて、今すぐ処方された止血剤を飲みますか? と気をつかってくれたのでぬるま湯をコップに入れてもらって飲ませてもらいました。
この時に処方された薬は
![]() |
アドナ錠30mg
毛細血管に作用して血管透過性亢進を抑制し、血管抵抗値を増強することにより出血時間を短縮し、止血作用を示します。通常、毛細血管抵抗性の減弱や透過性の亢進による出血傾向(紫斑病など)、皮膚・粘膜・内膜からの出血、眼底出血・腎出血・子宮出血、手術中・術後の異常出血の治療に用いられます。 |
![]() |
トランサミンカプセル250mg
種々の出血症状などに関与するプラスミンの働きをおさえ、抗出血・抗アレルギー・抗炎症効果を示します。 |
![]() |
ロキソニン錠60mg
炎症を引きおこすプロスタグランジンの生合成を抑え、炎症に伴う腫れや痛みをやわらげ、熱を下げます。 |
帰宅途中でも鼻血と鼻水が酷くて、途中の駅のトイレで鼻の中の綿を交換しましたが周りの人達が異様な目で見ていました。そりゃそうだよね鼻血を出してるんだから喧嘩でもしたような人を見る眼付です。とりあえず鼻の中の綿を交換してマスクをかけて再び電車に乗り込みます。
帰宅後に一度鼻をかんでみると、すごい量の鼻水と血の塊が放出されました。(ただし片方だけです。片方は詰まった感じでまだ出ません。)
鼻をかんだ後も顔が血で汚れているので洗顔しながら血の汚れを落とします。
この状態でも痛みとかはありませんが、片方の鼻だけは勢いよく鼻水が出ます。(手術前にも通りは良かった方の鼻です。)
その後、食事を済ませて処方された薬を飲みます。特に痛みは無いのでロキソニンは飲みません。
手術後1時間程度で、鼻血もすっかり止まってしまいました。(一番出血量の多い時間に電車移動をしていたようです。1時間くらい休んでから電車に乗れば楽だったようです。)
手術当日の夜は、鼻呼吸(片側ですが)が出来て比較的楽に眠ることができました。
翌日の朝、鼻の中に何か大量のゼリー状のものが詰まっているような感触があったので、鼻をかんでみると詰まっていた水道管が勢いよくゴミを押し出すようなイメージで力を入れていないのにスポンと出ました。これぞ快感!というべきものです。その後は、鼻がスースーと気持ちよく通ります。興味本意でティッシュの中を見ると半透明なグミ状の物質(中央に赤い点)が混じっていました。これは多分手術で針状のものを差し込んだ後のフタ的なものだったんだろうと理解しました。
術後1週間のうち、このようなグミ状の物質は片側の鼻だけ4個出てきましたが、もう片方は1個も出てきません。(その分、鼻の通りは良くないんです。)
術後の診察に行った時は、医師に片側の鼻だけグミ状の赤い点がついたのが4個出ましたけどもう片方は全然出ません。と伝えると「そうですか、出ましたか。じゃ もう片方を取りましょうね。」といいながら内視鏡を見ながら数か所を吸引して吸い取ってくれました。やはりフタだったようです。
また、1~2週間後に診せてください。と言う事で特に薬等の処方もなく終了です。
仕事の都合で2週間後に診察に行った際には、「術後の状態は良好」との事でした。確かに、片方はすっきりとした感じで過ごせています。本格的な手術が必要だと言われた方の鼻はすっきりではありませんが普通に過ごせています。ただ、微妙に鼻の中が乾燥しやすいように感じることがあるので「ドライノーズスプレー」をよく使っています。(粘膜を焼いたからだと思います。)
※ 術後半年以上経過した時点での感想
手術直後から鼻の粘膜がレーザーで焼いた関係で乾燥していたのですが、半年ほど経過した頃から徐々に粘膜の再生が始まったようで乾燥具合も減り始め鼻の通りも落ち着き始めました。